今日は現場で大工さんたちといろんなところの(図面に書いてない)「おさまり」について話してきました。
おさまりといっても空間構成はほぼ決まっているので、あとは仕上げ材の厚さと枠のでっぱりはどのくらいにするとか、壁と天井がぶつかるところはどうするかなど、大勢に影響はないけどそのルールひとつで建物の雰囲気が左右される重要なポイントです(おそらく一般の人は気が付かないところ)。
設計段階で細かく詳細図が書ければいいのですが、なかなか全部とまではいきません(時間もないし)。
逆に、書きすぎて大工さんが困る、という場合もあるから難しい。
「書くのは簡単、つくるのは大変」なんて言われる。
設計しているときはイメージが先行しているので、おさめ方がちょっと悩ましいときは、現場の大工さんの知恵も借りながら「あとは現場で考えよう」となるのです。
建築現場には、
お金を出す人(施主)、
設計する人(設計者)、
つくる人(大工さん等)、
がそれぞれいて、現場をまとめる現場代人さんという人もいます。
「それぞれ」なのがポイントです。
自分の考えていることと他人の考えていることをすり合わせないと、ひとつの建物ができません。
だから現場会議では「こういうイメージにしたい」ということをわかってもらうことが一番大事。
そしてそれぞれに役割があり、自分の役割を果たすのは当然ですが、その“役割の範囲”が最小限にしようとすると・・・
仮に、それぞれの考える範囲をA、B、Cとして、「あとはオレの仕事じゃないから知らない」という感じだと、A、B、Cの間に誰も気が付かなかったすきまができやすい。
そしてあとで困る(苦笑)
なんとなく関わりのあるところを「一歩先」までお互いに気をつけていると、みんなが気を使った範囲(重なってる部分)でいいアイディアが生まれたり、難しいところもみんなの知恵でうまく切り抜けられたりするわけです。
この重なりが現場での知恵の出し合いなんですね。
この考え方は、昔どこかの建築雑誌で見たんですが、まさにこれだ!と思いましたね。
設計者といっても現場での流儀(?)など知らないことも沢山あります。
自分が考えていたおさまりよりもっと簡単できれいな方法がある場合もあります。
そういった知恵を教えてもらったときや、「わかった」と大工さんが言ってくれたとき、とてもうれしいですね~(文句言われながらでも・笑)
そう、みんなでつくりあげていくんです!
建築の現場に限らず、まちづくりやほかの場面でもみんな同じですね。
全体に気をつかいながら、相手の立場を考えながら、補完していく気持ちが失敗を最小限にし、いいものを作り上げることにつながるんです!
まあ、それが簡単にできないから大変なんですが・・・汗
→1週間くらい前の現場の様子(今日、カメラのバッテリーがなくなって撮れなかった)